「aria」(1999年)


「空へ・・・」の岩崎琢さんがプロデュースとのことで聴いてみたいと
思っていましたが、昨日やっと中古CDを入手することが出来ました。


いいですね、これは。


透明感を感じさせる落ち着いた楽曲に、
笠原さんのクールなボーカルがマッチしていて、
聴いていて非常に気持ちが良いアルバムです。


初聴で気に入った曲の印象をメモしておきます。


1.「Fiducia in lui」
 ・・・サビのメロディと歌詞が何とも心地よく耳に残ります。
 このアルバムの導入曲としてピッタリです。


2.「-1999-悲しみに試されても」
 ・・・歌詞がとても印象的です。それを切なく悲しく歌う
 笠原さんの表現力が素晴しく胸に迫ります。「るろうに剣心」で
 歌ったというオリジナルバージョンも聴いてみたくなりました。


3.「愛のせいじゃない」
 ・・・これもまた歌詞が良いです。
 「愛のせいじゃい 僕らのせいなのに」と、
 今までの二人を悔いる歌詞が延々と続きますが、最後のほうで
「僕の手のひらじゃ/とても すくい切れないよ/だけどやってみる」
 とやり直そうとする、希望を感じさせる強い決意がでることで、
 曲全体が救われていると思います。


4.「Solitaire」
 ・・・この「むかしの自分」の視点で「いまの自分」を見る
 というタイプの詞はJ-POPでもよく見かけますが、
 けっこう好きなのです。(最近では柴田淳の「ちいさなぼくへ」、
 175Rの「空に唄えば」などもですね。)
 笠原さんの歌声は、こういう悲しげで叙情的な曲詞に
 本当によくフィットすると思います。


5.「despair」
 ・・・この曲だけ他とちょっと雰囲気が違いますね。
 アルバム中盤の良いアクセントになっています。


8.「The tree of my life」
 ・・・アルバム前半のクールな曲調とはちょっと異なる、
 優しい雰囲気の暖かい曲。子供の頃に好きな場所だった
 「大きな樹」を巡る、聴いていてホッとした気分になれる
 癒し系の良曲です。ちょっと「空色のメロディ」を
 思い出しましたが、あの頃と比較すると表現力は段違いですね。
 改めて、この十数年のボーカリストとしての成長に思いを馳せて
 感心しました。


9.「あの日のあなたへ」
 ・・・これも8.に続いて暖かい雰囲気の曲です。
 しかし内容は全然違って、失恋した過去の「2人」への
 追憶を歌っています。それでも「暖かい雰囲気」がするのは、
 その思い出を胸に「強がり」でも未来へ歩き出そうという
 前向きさのおかげでしょうか。歌詞のメロディへの乗せ方が
 流れるようで綺麗で良いです。


10.「Joy」
 ・・・サビの「Joy to ・・・」の部分が心地良いです。
 このアルバムの、ラストに向けて盛り上がる部分ですね。
「怖くていいんだよ」「ここから 始めよう」と前向きな歌詞です。


11.「愛しさの糧」
 ・・・そしてプロローグ、という感じのラスト曲。
 ゆったりとしたバラードです。
 「たったひとつの言葉が/愛しさの糧に変わる」。
 心に染み入るような良い歌詞です。


ほとんど全曲紹介になってしまいました・・・(笑)


全体としてかなり気に入ってます。
しばらくはリピートで聴き続けるでしょう。