「いつかきみと・・・」(1988年)


○一言感想:まさに珠玉のバラード。
○印象に残る歌詞:「いつでもみてるよ 君の心が 誰を向いてても」

○感想:

 1988年発売のイメージアルバム「空色のメロディ」の収録曲であり、
私が笠原弘子さんの「歌」のファンになったきっかけでもあります。


あの頃に比べると、笠原さんは見違えるほど歌が上手くなりました。
それに比例してたくさんの素晴らしい歌を歌ってきた、と思います。


それでも私にとってはこの「いつかきみと・・・」が原点であり、
一番に心に残っている曲なのです。


 「いつでもみてるよ/君の心が/誰を向いてても」


まだ少年である「僕」が密かに思いを寄せる女の子。
でも、彼女には他に好きな人がいるのを「僕」は知っています。
しかしある時、偶然にもその子の涙を見てしまった「僕」は、
もしこの想いが届かなくても、
それでも、どんなときも彼女を守っていこうと心に誓います。
それが「僕」の大事な夢なんだ・・・と。


この歌はそうした幼い、しかしそれゆえに純粋で一途な「僕」の
心からの想いを見事に歌っています。


まさに名曲といえるでしょう。


この曲には私の知る限り、3つのバージョンが存在します。


 1.オリジナル版(「空色のメロディ」「My Best Friends」)
 2.新アレンジ版(「スローガラスの輝き」)※アレンジのみ新録
 3.New Version版(「メモリーズ」)※アレンジ・歌ともに新録


中でもやはり印象深いのは1.オリジナル版です。(2.も同様。)
この時期、笠原さんの歌はまだまだ未熟なのですが、
素朴で美しいメロディに乗せて一生懸命に気持ちを込めて
歌うその姿は、そのまま詞の主人公である「僕」の
ひたむきな姿と重なって、清々しい感動を与えてくれます。


対照的に3.New Versionでは、歌声も歌い方も、
かなり上手くなっており、しっとりとした雰囲気で
安心してこの詞の世界を聴かせてくれます。
曲としての完成度はこちらが上かもしれません。


印象としては、オリジナル版は「僕」と一体となって
その想いを歌っており、New Versionでは物語の語り手のように
少年の心を歌っている感じがします。


未聴の方は、出来れば両方とも聴き比べて、
それぞれの良さを感じて貰えればと思います。


ちなみに、先日のファンクラブイベントでは、
笠原さんがこの曲をアカペラで歌って下さったそうです。


最近、イベントやライブなどでも、この曲を歌ったという話を
聞かなかったので、いまの笠原さんにとっては、
もはや過去の曲になってしまったのかと、
寂しく思っていましたので、その話を聞き大変嬉しかったです。


出来ればいつか私も、いまの笠原さんの歌う「いつかきみと・・・」を
聴いてみたいものです。