胸の奥の灯に、そっと火をつけよう(2)
「去りにし日々、今ひとたびの幻」。
試しに、「笠原弘子」「去りにし日々、今ひとたびの幻」、
この2つのキーワードでGoogle検索してみましたが、
ひとつも引っ掛かりませんね。。。
今日は前回に続いて、ふと思い出した過去の記憶を書き留めておきます。
テーマは小説「去りにし日々、今ひとたびの幻」。
(原題「OTHER DAYS , OTHER EYES」 ボブ・ショウ / サンリオSF文庫)
これは笠原さんのファーストアルバムのタイトル曲「スローガラスの輝き」の
元となった「スローガラス」が登場する連作短編SF小説です。
この「スローガラス」自体は、SFファンの間ではそこそこ知られているようですね。
「スローガラス」とは簡単にいうと、
『光が通過するのに非常に時間が掛かる特殊なガラス』
のことで、つまり、このスローガラスを覗くと、
そこには数年前にガラス表面に映っていた風景が見える、ということなのです。
(この説明だけでは「スローガラスの輝き」の詞曲には繋がらないと思いますが(笑))
当時、笠原さんが「以前に読んだ「スローガラス」というものが出てくるSF小説が、
とても気に入っていたので、アルバムのタイトルに使った」というようなことを、
語っておられたのを何かで聞いたのです。
そうすると、もちろん、その小説を読んでみたいと思うのは当然のことでした。
ところがしかし、これがそう簡単に読めるものではなかったのです。
アルバム発売当時、既にサンリオSF文庫自体が消滅しており、
「去りにし日々、今ひとたびの幻」もとっくに絶版本になっていたのです。
思いつく限りの古本屋や図書館を探し続けましたが、
かなりの希少品だったようで、どこでも発見することが出来ませんでした。
しかし、もう諦めかけた頃に、数ヶ月前に一度立ち寄っていた古本屋で、
サンリオSF文庫が何冊か入荷されているのを発見したのです!
以前に立ち寄った際に、店長さんと世間話をして、
「この本を探しているがなかなか見つからない」と話したのを覚えていて、
東京へ仕入れに行った際に見つけて入荷しておいてくれたそうなのです。有り難き・・・!
希少本だけにけっこう値段も高かったのですが、喜んで購入しました!
さて、そうして苦労の末に手に入れた「去りにし日々、今ひとたびの幻」。
その後、なんと笠原さんに直筆のサインまでして頂き、
まさに宝物になるはずだったのですが、
今でも大事に取ってあるかというと、これがもう私の手元には無いのです。
ではどうしたのかというとですね、、、、
じつは、とある機会に、笠原さんへプレゼントしてしまったのでした!
さて、その顛末は、また次回にでも・・・。