「I'm always close to you.」(その2)


  「 明日など / 無いかもしれないのに / どうして今日を過ごしてしまう /
    今がすべてと / ちゃんと知っていたはずなのに・・・ 」


あらためて、ため息がでるほど、良い歌ですね、この「I'm always close to you.」は・・・。


最近、知り合いに不幸が続いており、人の命の儚さというものを実感しています。
11年前のあの日、阪神大震災のことなどを思い出すにつけても、
本当はとても脆い現実の上に立っているのに、
まるで永遠に明日が続くかのように錯覚して、
何となく日々を過ごしていってしまっている自分にふと気付くとき、
そんなときには、この歌を思い出して、
「ああ、そうだ・・・、もっと日々を大事に生きていかなきゃ」と改めて想う私がいます。


  「ゴールが見えると / 今度は惜しくて /
    もっともっといたい / まだ続けていたい・・・ / って思うのね。。。」


岡崎律子さんの言っている「ゴール」のその最後にあるのは「人生の最後」、
・・・つまり「死」のことですよね。。。
先にゴールする岡崎さんが、まだゴールが見えない、行き着けない人達へと、
送ってくれたメッセージ。


誰にでもいつか最後の日がやってくる。
それはもしかしたら、気付いていないだけで、今日なのかもしれない。
だけどその時まで、それぞれ「今」を精一杯、生きてね。


  「それは何より / チャーミングなこと・・・」


いつか来る最後のゴールへと日々近づいているという切迫感。
それが痛いほど胸を刺すのだけれど、でも同時にこの歌には、
今を生きているすべての人達への、溢れるほどの優しさと愛情が込められています。


笠原さんの気持ちを込めた切なく美しい歌声は、
そんな岡崎律子さんの最後の想いを、見事に心へと伝えてくれます。


「胸のコンパス」と同様に、この「I'm always close to you.」も、
この半年の間で、私の人生に影響を与えてくれた、大切な歌のひとつです。


ちなみに、この歌を聴いていると、いつも、
30周年記念コンサートで笠原さんが歌の前に呟いた、
「ちゃんと歌いたいもんね・・・。」という言葉を、思い出します。