「Re*vuelta」(2003年)
さて、「本当の私」に続いてこちらのアルバムも聴いてみました。
しかし実際にはこの2枚のアルバムの間には、
7年もの歳月があるのですね・・・。
「少しずつ愛して」
アコースティックギターのイントロから、
いつもながら美しい笠原さんの歌声が語りかけてきます。
歌声を造っていた「本当の私」の直後に聴いているせいもあり、
特に笠原さんの伸び伸びとした歌声がまっすぐに心に響きます。
アコギメインの演奏や叙情的な歌詞もGood!
「金のサカナ」
ファンタジックというべきかなんというか・・・、
ちょっと評価を迷う歌です。
雰囲気的には「レクスプレス・ファンタジー」を
すこし薄くした感じでしょうか。
笠原さんの歌声は相変わらず良いです。
「恋の新境地」
このアルバムの曲タイトル、「○○の××」というのが多いですね。
歌詞は普通のラブソングといった感じでインパクトには欠けますが、
しかし、ここでも笠原さんの歌声はきれいです。
「町人風情」
いきなりのロック風でちょっと浮いてる気が。。。
歌詞も単語の選び方(語感や連想するイメージ)があまり好きでなく、
まとまりも悪い印象です。ただ、「こういう歌も歌いこなせる笠原弘子」
というのはアピール出来ており、良いのではないかと。
もうちょっと違ったカッコイイ歌詞で、
こんな雰囲気の歌を聴いてみたい気がします。
まだ未聴なのですが、もしかして「ネオ・デカダンス」が
その系統にあたるのでしょうか?
「目の前の真実」
前曲の後だとホッとしますね。雰囲気としては「aria」的です。
そういえば今回は失恋の歌が少ないですね。
この歌と「春の雪」くらいでしょうか。
「ロンリコ」
なんだこのイントロのセリフは…!!!(笑)
笠原さん御本人も、居酒屋とかでこんな風に酔っ払って
絡んだりしてるんでしょうか?
タチの悪い酔っ払いです、けどなんか可愛いです(笑)
ところで「チューが足りない」って
キスと掛けているのでしょうかね?
そうだとすると、これまたかなり酔っ払い度が高いですよ。。。
セリフも歌詞も含めて、針の振切れ度が高く、
それがとても微妙に良い感じになっています。
「昼間の私に会いにこないで」
タイトルが意味深で良いですね。
歌詞もアンニュイというか暗いというか、
でも、この楽曲の雰囲気が出ていて良い感じです。
笠原さんのこういった歌い方も、その雰囲気にピッタリです。
「アジアの頂点」
今度は松宮恭子先生風の楽曲。
ちょっとシニカルな歌詞やメロディが「Saga」を思い出させます。
「春の雪」
静かでちょっと哀しげなバラードです。
「NECO」
「昼間は女の姿して あなたに会っているの
/ルビーの瞳の黒猫が私の正体」
似たような発想でも、
「ルビーの瞳の黒猫」とは全然違った歌が出来上がってますね。
「にゃごにゃご」って…。
個人的には「ルビーの瞳の黒猫」の圧勝ですが、
うん、でもまあこれはこれで可愛らしくてなかなか
良いのではないでしょうか。ところで、歌の最後に「にゃーお」と
鳴いているのは笠原さんでしょうか?
このアルバム、曲の種類がバラエティーに富んでいますね。
そしてどの曲も笠原さんのボーカルの魅力を
様々に活かして歌われています。
歌詞やメロディに「?」のつく楽曲もありますが、
少なくともボーカルの良さが前面に押し出されているという点で、
楽しめるアルバムになっていると感じました。
☆印象に残った曲:
「少しずつ愛して」「ロンリコ」「昼間の私に会いにこないで」