「本当の私」(1996年)


やっと今朝、聴くことが出来ました。
まずは初めて聴いた感想を書いておきます。


「ブラブラしよう」
3曲目でいきなり驚きました。
「え?誰の声??」と思いましたが、
なるほど、よく聴くと笠原さんの声ですね。
今までのどの曲とも路線が違っていて新鮮です。


「ミクロ」
小室哲哉五十嵐充かといった感じです。
メロディに切迫感があって流れるような、かっこいい曲ですね。


「起こさないキス」


 「余白を埋める ように/微笑みあう時間/なによりいとしい」


そういえば「aria」の「愛のせいじゃない」でも
こういう歌詞がありました。


 「愛のためだけ/もしも 愛することできたら
  /少しずつでも/心の余白を埋めていけるだろう」


これはどちらも山田ひろしさんの作詞なのですね。
この「起こさないキス」は幸せ一杯の歌、
「愛のせいじゃない」は2人の破局の歌と、対照的な歌詞なのに、
同じ「余白」という単語が同様の気持ちの例えとして
出てくるところが面白いです。


「自分勝手でごめんなさい」
ポップで可愛らしい曲です。ブラスアレンジが効いてますね。


「キャラメル色の毛布」
静かな、語り掛ける感じのボーカルが良いです。
このアルバムでは珍しい、曲としてのトータルバランスよりも、
笠原さんのボーカルをメインに据えたアレンジになっています。
歌詞も可愛くてかなり好きな感じの歌です。


「ホッとひと息」
これもまた可愛い雰囲気の曲です。
笠原さんの歌声も力が抜けていていい感じです。
何となくエンディングっぽいですね。


アルバム全体の感想としては「かっこいい」&「かわいい」を
上手くバランスしてあり、完成度は高いと感じました。
事前に期待していたとおりのデキだと思います。


しかしそれは今の自分の評価であって、
以前に笠原さんのファンだった頃の自分が、
もし当時の流れの中でこのアルバムを聴いたら、
評価は低かったかもしれないと思います。


そう考えると、笠原弘子という歌手の「音楽性」も、
当時より随分と幅が広がって成長したのだなあと、
改めてこの十数年の時間の流れを感じました。


 ☆印象に残った曲:
  「ミクロ」「自分勝手でごめんなさい」「キャラメル色の毛布」