annniversary concert 第二部(後半)


 さあ、「金のサカナ」が終わって、、、
あ、このイントロは「メモリーズ3」の・・・?、と思ったところでハプニング発生〜!
ドラムの人が音の入りを間違えたようで、笠原さんが「ダメダメ〜!」っていう感じで
手を振って演奏をストップさせました。(笑)


 ドラムの人のところへ歩いていき、なぜかガッシリと握手をする笠原さん(笑)
会場にもドっと笑いと拍手が起き、この場面を境にして、会場もステージ上も、
一段とリラックスした雰囲気へと、明らかに空気が変わったようでした!


 そして再びドラムの人のカウントで仕切りなおして「メモリーズ3」から「約束」!


やっぱり会場も演奏も、ここからすごく一体感?のようなものが出てきて、
ノリが一段と良くなったように感じます。
何よりも、笠原さんの絶妙のフォローのおかげですね!ナイスです!!


 「あなたらしさも 私らしさも おなじ空の下で生きてる/笑顔はそう 2人の約束だから」


歌詞もこのハプニングの後にピッタリだったかも(笑)


 続いてちょっとライブ向きにアレンジされた感のある「さよならがくれたのは」。
もうみんなノリノリですよ!私も笠原さんと一緒に歌ってました〜!


 「傷付くことを知らずにいたら 優しくなれなかった こんなに」
 「出会いと別れを繰り返す 最後の人に 出会う日まで」
 「さよならがくれたのは すべてを流す涙 新しい季節が始まる つま先で・・・」


「つま先で・・・」と歌いながらつま先のほうを見ていた笠原さんが可愛かったです(笑)


 次は「きみを守りたい」。盛り上がる良い曲ばっかり続けてきますね!
もうこの選曲、素晴らしいです!!


 「夢をささやく きみが好きさ/だから瞳を曇らせないで
   / いつもきみを守りたいよ 朝も 昼も 夜も 君のことだけを想ってる」
 「笑顔見るまでそばにいるよ 不確かな言葉より 温もりを・・・」


 あまりに伸びやかな歌声!
微笑みながら「きみを 守りたいよ」と歌う笠原さん、最高です!!


 ここのMCで「もう後半の後半。残りあと2曲です」宣言。
ちょっと寂しくなってしまいます。。。
こんなに楽しい時間が、もうすぐ終わってしまうなんて・・・。
毎回、東京まで遠征できるわけではありませんから、次はいつ聴けるのか、
目に出来るのかわからない、この笠原さんの素晴らしい声を、姿を、
しっかり心に焼き付けておこうと思いました。


 シンプルな演奏で始まった「ひまわり」。
笠原さんの歌声が引き立つ、半アカペラのような演奏でした。
先ほどの「もうすぐ終わってしまう」という寂しい気持ちと、
この悲しさの中に強さを感じさせる歌がリンクして、
なんとも言えない物悲しい気持ちになります。


 「想い出と同じだけ大切なものは 言葉に出来ない たくさんの気持ち・・・」
 「こんなふうになりたい もう一度会えるときまで/まっすぐ咲いてる ひまわりのように・・・」


聴いているみんなの「想い出」に語りかけると同時に、これはいままでの30年間、
笠原弘子を支えてくれた、すべての人達へと捧げられた歌だったのでしょうね。
強い気持ちの込められた、とても良い歌声でしたよ。。。


 そしてバラードの王道「ミリオンスター」。
ホール内に輝いて星を映し出すミラーボールが回りだし、舞台を幻想的に彩ります。


 「星の数ほど いる人の中で 出会った
   /ねえ ずっと離さないで このまま/星屑たちが 甘い涙になる・・・」


ホールに響き渡る笠原さんの美しい澄んだ歌声・・・。とても良かったです!
そして、合計4時間近くも続いたライブ本編もこの曲で終了かと思うと、
胸にグッとくるものがあります。


 笠原さんが「ありがとうございました!」と深々とお辞儀をして帰っていった後も、
アンコールの拍手は鳴り止みません。けっこう長い時間でした。
既にライブ中に盛り上がりすぎて手のひらが痛くなっていましたが、
私も今の感動が笠原さんへ伝わるようにと、一生懸命アンコールの手拍子を続けました。


 そしてバンドメンバーがようやく再登場!さあ、アンコール曲はなんでしょう??
お?このリズムは??「異邦人'90」!?
そしてノリノリのリズムに乗って颯爽と笠原さんも再度、
元気良く舞台に飛び出してきました!!!


 衣装はチェンジして、しっとりとした歌姫風からガラっと変わって、
黒っぽいノースリーブに、黒いミニスカートとタイツといった、
大人っぽくカッコイイ感じ!髪型は変わらずストレートのロングヘアです。


 会場の盛り上がりも最高潮でイントロから歌が始まる!!かと思ったらまたハプニング!
あきづきさんのキーボードの音が出ない!?(笑)
「子供達が…」と一度は歌い始めた笠原さん、
つい笑ってしまい、あきずきさんに駆け寄ります〜。
「この音が出なかったんですよね?」と笑いながら手振りを交えて説明し、
うまくその場をフォローする笠原さん。頼もしい・・・!(笑)


「もう一回出てきたほうがいいのかしら?(笑)」


などと冗談を言いながら、再び異邦人のイントロ開始!
笠原さんの見事なアドリブのお陰で、盛り上がるなあ・・・!!!


「異邦人'90」、こんなに気持ちの良い曲だったとは再発見です。
手の痛かったのも忘れてノリノリで聴けました!ただ、この曲を手拍子していると、
どうしても手を叩くリズムが合わなくなってしまうワタシ。。。
十数年前も、そうだったことを突然に思い出して、一瞬、
あの頃と変わった自分と、変わっていない自分に思いを馳せて、ひとり苦笑しました。


 次は「雨音はショパンの調べ'90」。なるほど、カバー曲メドレーですね!
しかし90年というと、ちょうど15年前ですか・・・。そう考えると何だか感無量ですね。。
とても懐かしい気分に浸れました。


 次は「迷い道'91」かと思ったら、「白いページの中に」。


 「長い長い坂道を いま 登って行く/好きだった海の囁きが 今は心に沁みる
   /よみがえる午後の安らぎも 白いページの中に・・・」


うん、30周年記念ライブで歌うには「迷い道」より、こちらのほうが良いですね!
長い長い坂道を登って行く、、、
今まで笠原さんが、そして自分自身が通ってきた道を思いながら、
しっとりと聴きました・・・。このメドレーも非常に良かったです!


 メドレーの後、最後のMCが始まるのかと思ったら、笠原さんは奥へ帰ってしまい、
バイオリン独奏による「胸のコンパス」が響き始めて、再びスクリーンが降りて来ます。


 スクリーンには、今回のライブのスタッフロールと共に、
過去のすべてのアルバムのジャケット写真が次々と映ってゆきます・・・。


あ、「スローガラスの輝き」だ!
この頃、私はまだ十代の半ばでした。
ずっと好きだった笠原弘子さんがついにソロアルバムを出すまでになったことが、
とても嬉しくて、かなり早くレコード屋へ予約しに行きました。
その頃はまだあまりCDを買った経験さえなかった私ですが、
なぜかハリキってCDだけでなく、LP版も買ったことを思い出します。
今でも初めてこのアルバムを聴いたときの感動は覚えています。
あの頃はこのアルバムばかり、もう何百回も繰り返し聴きましたよ・・・。


次は「カフェ・パラダイス」。
2ndアルバム、この頃、私は高校生でした。
これもすべての歌詞を暗記するほど繰り返し聴きました。。
大人っぽい歌詞やメロディ、一つ一つが短編物語のような曲達と、
ハードカバー本の表紙と背表紙のようにOPとEDを括る表題曲「カフェパラダイス」。
全体に漂う洒落た雰囲気が好きで、このCDを宝物のように扱っていましたよ。
そういえば、アルバムというものを、シングルのよせ集めではなく
「1つの作品」として捉えることを覚えたのは、このアルバムを聴いてからでした。


そして「セミ・プレシャス・ストーン」。
このアルバムも大好きでした。。。
そうそう、同時期に出たエッセイ集「蒼い準宝石」も大切にしていました。
発売直後にファンシーランドのイベントに持っていって、
笠原さんに直接サインをしてもらったっけ・・・。
岡山までの小旅行の行程もいろいろあって楽しかったなあ。。。


 スクリーンを次々と流れるジャケット写真を見ていると、
一枚一枚のアルバムのことが、当時の様々な記憶と共に心によみがえってきて、
胸が苦しくなってきます。。。こうして思えば、私の中学〜大学までの青春は、
いつも笠原さんの歌と共に在ったのです。。。


そして、途中からは私がいったん、ファンを離れてしまってからの、
まだ知らないアルバムジャケットの数々が・・・。


私が笠原さんのことを忘れてしまっていた間にも、
笠原さんはこうして一生懸命、歌を歌い続けていたんだなあと思うと、
どうしてあの時からずっと応援を続けてあげなかったのだろうかと、
笠原さんのことを裏切ってしまったかのような、
ちょっとした罪の意識を感じてしまい、またそれが胸を締め付けます。。。


バックに流れるバイオリンソロの音色が、また心を大きく揺さぶるのですよ。。。


そんな思いに浸りながら、スクリーンを流れる文字は、とうとう最後になりました。
そこには笠原さんの直筆のメッセージが映し出されます。


 「今日はコンサートに来てくれて 本当にありがとう
   皆さんへ 心からの感謝と そして愛を込めて・・・」


「ありがとう」も感謝の言葉も、言わなきゃいけないのはこっちのほうですよ・・・。
しかも愛を込めてなんて・・・・!
このメッセージに重なるように、「胸のコンパス」のイントロが始まり、
ゆっくりと舞台へ、笠原さんが歩み出てきて、会場へ一礼します。


そして「胸のコンパス」へ。。。


 「雨上がりの朝は きらめく光で満ちていて 目の覚める青さ
   /暗い部屋 飛び出し 深呼吸しよう 今すぐ・・・」


もうダメです・・胸が詰まってしまって・・・、
本当に本当に、感動で泣いてしまう寸前でした。。。


 「胸の中にコンパスはあるの 誰の心にも
   /自分らしさ 見失わないための 大事な羅針盤・・・」
 「失うものは もう数えない 私は ここで生きているから
     /一番大切なときは いつだって いま この時」


 「揺れる針が やがて止まるほうへ 歩き続けたいの/信じ続けたいの・・・」


この日、このコンサートに観客として参加できて、私はとても幸せでした。
今も、心の底からそう思います。


 これまで歩いてきた道、これから歩いてゆく道・・・。
どこへ向かってゆくのか判らないけど、胸のコンパスを信じて、
これからも真っ直ぐちゃんと歩いてゆこう。
普段ならこんな大げさなこと、考えもしないけど、
あのコンサート会場の中で、笠原さんの優しい歌声に包まれながら、
ほんとうに素直に、そう思えたのです。


そして、こんな素晴らしい歌を聴かせてくれる笠原さんのことを、
これからもずっと応援して見守っていこうと、強く心に誓いました。


笠原弘子さん、ほんとうに素晴らしいコンサートを、ありがとうございました!
いつまでも、私が生きている限り、この日の感動は永遠に忘れることはないと思います。


笠原さんが最後の挨拶を終えて奥に消えても、しばらくは拍手が鳴り止みませんでした。


ただ、そんなに余韻を残す間もなく、しばらくすると照明が灯り、
終了を知らせるアナウンスが流れると、みんなあっさりと席を立ち始めます。
私はもう少しそこで、感動の余韻に浸っていたい気分でしたが、
周りの人波に押されながら、席を立ち、すっかり暗くなった雨振る外へと、
会場を後にしたのでした。。。




・・・さて、随分と長文になってしまいましたが、
この感動を書き留めて残しておきたいと思い、レポートのようなものを書き上げてみました。
冷静に客観的に書くつもりでしたが、途中からもう感情入りまくりですね(笑)


しかし、自分がここまで熱くなってしまうとは、
ファンに復帰した数ヶ月前には考えもしませんでした。
それだけ、笠原さんの歌にはまだ「力」があるということなのでしょうね。


では、これにてコンサートレポート、終了です・・・!